株式会社テレビ信州様|ラッコキーワードで地域情報の魅力を発掘。企画効率と情報発信の質向上

株式会社テレビ信州は、日本テレビ系の地方局として、地域情報や最新ニュースを長野県内に発信しています。

夕方の情報番組「ゆうがたGet!」は1999年4月に放送を開始し、2024年で25周年を迎えました。地元のニュースや話題を幅広く取り上げ、長野県で最も歴史ある夕方の情報番組として幅広い層から支持を集めています。2024年4月から「ゆうがたGet!every.」(月~金 午後3時50分~放送)として多角的な情報発信を行っています。

2024年5月からは、従来の「足で稼ぐ」現地取材に、検索トレンドデータを組み合わせる新たな試みとしてラッコキーワードを導入し、潜在的な地域の話題を掘り起こしています。
今回は、報道制作局 報道制作部 部次長の松澤 亮さんに、ラッコキーワード活用の背景や、その活用による具体的な変化についてお話を伺いました。

株式会社テレビ信州様|ラッコキーワードで地域情報の魅力を発掘。企画立案の効率化と情報発信の質を向上

既存手法との相乗効果で、新たな視点を番組へ

松澤さんのご担当業務について教えてください。

私は報道制作部に所属し、部次長を務めています。報道制作部は、ニュース制作から一般・スポーツ番組まで幅広く手がける部門で、私は看板番組「ゆうがたGet!every.」の第1部(午後3時50分〜4時45分)の演出を担当しています。

ラッコキーワード導入の背景について教えてください。

番組の25周年という節目にあたり、新たな企画やコーナーを模索する中で、長野県に関連する検索トレンドに着目しました。従来はスタッフが実際に現地を回り、お店や人々から話題を拾う「足で稼ぐ」取材だけでは、視聴者がネットで何を検索し、どんなことに疑問や関心を抱いているのかは見えづらいものです。ラッコキーワードは、その「見えないニーズ」を可視化できるツールとして非常に魅力的でした。

また、ラッコキーワードのデータは番組にとどまらず、ホームページやアプリにも活用できそうだと考えました。アプリで行っている視聴者参加型クイズや企画に検索データを組み合わせることで、より多彩なコンテンツ提供が可能になると考え、導入に至りました。

検索ワードから新視点を発掘、視聴者参加で企画に厚み

ラッコキーワードの活用方法について教えてください。

ラッコキーワードの「一括キーワード調査」の月間検索数からランキングを作成し、番組でクイズ形式の「検索で知る信州」というコーナーを展開しています。2024年5月以来、すでに7回放送されています。他の新規企画では数回で終わることも多い中、これだけ継続できているのは、視聴者からの好意的な反応が得られている証といえます。

企画立案時は、次回放送のテーマに関連する検索キーワードを10〜20種類程度ピックアップし、ラッコキーワードで調査しています。その中から視聴者の興味を引きそうなテーマを選定し、番組に反映しています。

たとえば、「おやき」と「離乳食」の意外な関連性や、「千曲川」で五木ひろしさんが上位に登場する理由など、制作側も驚くような切り口が得られています。こうした意外性は、番組制作スタッフにとっても新鮮であり、取材対象を拡げるきっかけとなっています。

さらに、視聴者参加型の仕組みも強化しました。たとえば「長野県民 プライド高い」という検索結果を紹介した際には、アプリを通じて意見を募集すると170件ものコメントが寄せられました。

また、「お赤飯 甘い」というテーマでは、長野県内で地域ごとに文化が異なることが視聴者の声によって鮮明になり、リアルな地域性が番組を通じて浮かび上がりました。従来の取材だけでは拾いきれない検索データに基づく企画により、番組の幅が広がりました

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一括キーワード調査画面イメージ

ネタ選びの効率化と地域情報発信の深化

ラッコキーワードを導入後の効果について教えてください。

ラッコキーワードでの潜在的な話題の早期発見と、視聴者との双方向コミュニケーションを組み合わせることで、企画立案の効率化と質の向上ができています。

たとえば、劇場版名探偵コナンの次回作の舞台が長野に決定したニュースは、ネット上では既に盛り上がりを見せていましたが、地域で暮らす人々にとってはまだ浸透していない話題でした。ラッコキーワードのデータを活用すれば、“ネットでは話題沸騰だが地元ではまだ表面化していない”トピックをいち早くキャッチできます。結果として、地域の番組として新たなトレンドを紹介することで、視聴者の“今”の関心を鮮度高く反映できるようになりました。

ラッコキーワードは、視聴者の関心を可視化し、新たな企画テーマを効率的に発見できる強力なツールとなっています。従来の現地取材に検索データを組み合わせることで、日々の生活や文化的背景など、潜在的な話題を深く掘り下げることが可能になり、継続的なシリーズ企画として番組が成長していると実感しています。

ネット・アプリ展開でさらなる情報発信力強化へ

最後に、今後の展開について教えてください。

これまでは番組への活用が中心でしたが、今後はホームページやアプリへも積極的にコンテンツを拡大し、放送以外の場でも地域情報を発信していきたいと考えています。視聴者参加型企画をさらに拡充することで、放送だけではリーチできない層にも長野の魅力を届ける試みを視野に入れています。

引き続きラッコキーワードを活用いただけるよう改善を進めてまいります。松澤さん、貴重なお話をありがとうございました!

※掲載内容は取材当時のものです。