
上司からオウンドメディアを立ち上げてと言われたものの、何から手をつければいいのか分かりません。予算も人手も限られているので、失敗だけは避けたいです。
オウンドメディアは、正しい順番で準備すれば専門部署がなくても立ち上げられます。
大切なのは、サイトを作る前に「誰に・何を届けて・どんな成果を出すか」を決めておくことです。
この記事では、はじめてオウンドメディアを担当する方向けに、企画からサイト構築、記事制作、運用・分析までの作り方を4つのステップで紹介します。
あわせて、費用相場、内製と外注の切り分け方、社内稟議を通すためのポイントも解説します。

読み終えるころには、立ち上げに必要なToDoと費用感がそろい、社内向けの企画書づくりにすぐ取りかかれる状態になります。
オウンドメディアとは?BtoB企業が立ち上げる目的とメリット

オウンドメディアの作り方に入る前に、まずは「何のために作るのか」をそろえておきましょう。
目的が曖昧なまま作り始めると、記事のテーマも成果の測り方も決まらず、途中で運用が止まる原因になります。
そもそもオウンドメディアとは
オウンドメディアとは、企業が自社で保有し、自由に情報発信できるメディアのことです。
広い意味では自社サイトやメールマガジンも含みますが、一般的には「読者の役に立つ記事を継続的に発信するWebサイト(ブログ型メディア)」を指すことが多いです。
同じ自社のWebサイトでも、コーポレートサイトとは発信する情報の中身が異なります。
コーポレートサイトは会社概要や製品情報など「自社のこと」を伝える場です。
一方、オウンドメディアは「読者が知りたいこと」を起点に、課題の解決方法やノウハウを発信します。
なお、マーケティングでは企業が情報を届ける場を次の3つに分けて考え、オウンドメディアはそのうちの「自社で保有するメディア」にあたります。
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種類 |
具体例 |
特徴 |
|---|---|---|
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オウンドメディア(自社で保有) |
自社ブログ、コーポレートサイト、メルマガ |
内容を自由に決められ、記事が資産として残る |
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ペイドメディア(費用を払って掲載) |
検索広告、SNS広告、雑誌広告 |
即効性があるが、出稿をやめると集客も止まる |
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アーンドメディア(第三者の発信) |
SNSの口コミ、ニュース記事、レビュー |
信頼性は高いが、内容をコントロールできない |
集客や新規リード獲得、認知拡大に欠かせない理由
BtoB企業がオウンドメディアに力を入れる一番の理由は、買い手が営業担当者に会う前に、自分で情報を集めて検討を進めるようになったことです。
調査会社Gartnerは、BtoBの購買担当者の75%が「営業担当者を介さない購買体験」を好むと報告しています。
(参考:Gartner「The B2B Buying Journey」)
つまり、検討の初期段階で見つけてもらえなければ、比較の候補にすら入れない可能性があります。
オウンドメディアで課題解決の情報を発信しておけば、検索している見込み客と早い段階で接点を持てます。
オウンドメディアを持つメリットは、主に次の3つです。
リード獲得:記事から資料ダウンロードや問い合わせにつなげ、見込み客の情報を得られる
広告費に頼らない集客:検索上位の記事は、広告を止めても読まれ続ける
認知拡大・ブランディング:専門性のある発信を続けることで「この分野ならこの会社」と想起されやすくなる

広告は「借りている集客の場」、オウンドメディアは「自社で育てる集客の場」です。成果が出るまで時間はかかりますが、積み上げた記事は会社の資産になります。
オウンドメディアの作り方・立ち上げ手順【4つのステップ】

オウンドメディアの作り方は、大きく4つのステップに分けられます。
各ステップで「何を決めて、何を成果物として残すか」を意識すると、そのまま社内向けの企画書やスケジュールに転用できます。
オウンドメディア立ち上げの4ステップ
- 準備・企画:目的・ペルソナ・KPI・コンセプトを決める(成果物:企画書)
- サイト構築:ドメイン・サーバー・CMSを用意し、計測環境を整える(成果物:公開できるサイト)
- コンテンツ作成:キーワードを選び、検索意図を満たす記事を作る(成果物:記事リストと記事)
- 運用・分析:数値を見てリライトと新規記事を繰り返す(成果物:月次レポート)

【ステップ1:準備・企画】立ち上げ目的とペルソナ、KPIを明確にする
最初のステップでは、サイトを作る前に「誰に・何を届けて・どんな成果を出すか」を決めます。
ここを飛ばすと、記事のテーマ選びや効果測定の基準がぶれて、半年後に「何のためのメディアか分からない」状態になりがちです。
①目的を1つに絞る
オウンドメディアの目的は、主に「リード獲得」「認知拡大・ブランディング」「採用」「既存顧客のサポート」の4つに分かれます。
立ち上げ期は、目的を1つに絞るのがおすすめです。
たとえばリード獲得が目的なら、記事の出口には資料ダウンロードや問い合わせフォームを置きます。
採用が目的なら、社員インタビューや働き方の記事を増やし、出口は採用ページにします。
②ペルソナ(想定読者)を決める
ペルソナとは、記事を届けたい読者像を1人の人物として具体化したものです。
BtoBの場合は、次の項目を埋めると記事のテーマや言葉づかいが決めやすくなります。
業種・会社規模・部署・役職
抱えている業務上の課題と、その課題が起きている背景
情報収集に使う手段(検索、SNS、展示会など)
導入を決めるときに関わる人(上司、情報システム部門、経営層など)
営業担当者やカスタマーサポートに「よく受ける質問」を聞くと、机上の想像ではない、実態に近いペルソナになります。
ペルソナの設計手順や具体例は、マーケティングのペルソナの設計手順を解説した記事で詳しく紹介しています。
③KGI・KPIを設定する
KGI(重要目標達成指標)は最終的なゴール、KPI(重要業績評価指標)はゴールまでの中間目標のことです。
リード獲得が目的の場合、次のようにKGIから逆算してKPIを置きます。
KPIの逆算例(リード獲得が目的の場合)
KGI:オウンドメディア経由の商談 月5件
→ 必要なリード数:月50件(商談化率10%の場合)
→ 必要な訪問数:月25,000(CV率0.2%の場合)
商談化率やCV率(訪問者のうち資料請求などに至った割合)は業種によって大きく異なります。
自社の既存の問い合わせデータがあれば、その数値を当てはめて試算しましょう。
④コンセプトとカテゴリを設計する
コンセプトは「どんな読者の、どんな悩みを解決するメディアか」を1文で表したものです。
たとえば、業務ソフトウェアを提供するサイボウズが運営するオウンドメディア「サイボウズ式」は、立ち上げ時に「新しい価値を生み出すチームのための、コラボレーションとITの情報サイト」というコンセプトを掲げました。
(参考:サイボウズ式「サイボウズが自社メディアを始める理由」)
コンセプトが決まったら、扱うテーマを3〜5つのカテゴリに分けます。
競合メディアがどんな切り口で記事を書いているかは、ラッコキーワードの見出し抽出で上位記事の見出しを一覧にすると把握しやすくなります。
ステップ1で決めた目的・ペルソナ・KPI・コンセプトは、そのまま企画書の骨子になります。
1枚のシートにまとめておきましょう。
【ステップ2:サイト構築】ドメイン・サーバー・CMS(WordPress等)を準備する
企画が固まったら、記事を公開するためのサイトを用意します。
必要なものは「ドメイン」「サーバー」「CMS」の3つです。
家にたとえると、ドメインは住所、サーバーは土地、CMSは建物にあたります。

①独自ドメインを取得する
ドメインとは「example.com」のような、インターネット上の住所にあたる文字列です。
オウンドメディアは、自社で所有できる独自ドメインで運営するのが基本です。
無料ブログサービスのドメインを借りる形だと、サービスの規約変更や終了の影響を受けます。
また、積み上げた検索評価を自社の資産として持てません。
ドメインの形は、主に次の2通りです。
新しいドメインを取得する:「〇〇media.com」のように、メディア専用の名前を付ける
コーポレートサイトのサブディレクトリを使う:「自社ドメイン/media/」のように、既存ドメインの下に設置する
既存ドメインの評価を活かしやすいのはサブディレクトリですが、社内の情報システム部門の管理ルールに左右されます。
運用の自由度を優先するなら、新しいドメインを取得する方法が進めやすいです。
②レンタルサーバーを契約する
サーバーは、サイトのデータを置いておく場所です。
自社でサーバーを管理する必要はなく、月額数百円〜数千円のレンタルサーバーで十分に始められます。
選ぶときは、次の点を確認しましょう。
WordPressを自動でインストールできるか
無料の独自SSL(通信を暗号化し、URLを「https」にする仕組み)に対応しているか
自動バックアップがあるか
想定するアクセス数に耐えられる性能か
表示速度も検索順位や読者の離脱に影響するため、高速なサーバーを選ぶと安心です。
表示速度については表示速度とSEOの関係を解説した記事で詳しく紹介しています。
③CMSを選ぶ
CMS(コンテンツ管理システム)とは、HTMLの知識がなくても記事を作成・公開できる仕組みです。
代表的なのはWordPressで、W3Techsの調査では全Webサイトの40.2%、CMSを使っているサイトの58.8%がWordPressで作られています。
(参考:W3Techs「Usage statistics of content management systems」)
利用者が多いぶん、デザインテーマや機能を追加するプラグインが豊富で、困ったときの情報も見つけやすいのが強みです。
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CMSの種類 |
向いているケース |
注意点 |
|---|---|---|
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WordPress(オープンソース) |
費用を抑えて自由にカスタマイズしたい |
更新作業やセキュリティ対策は自社で行う |
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SaaS型CMS(月額制のサービス) |
保守の手間を減らしたい、社内の承認フローを管理したい |
月額費用がかかり、機能の自由度はサービスに依存する |
WordPressの具体的な始め方は、WordPressでブログを始める方法の記事で図解しています。
④デザインと基本設定を整える
WordPressの場合は、デザインテーマを選び、ロゴ・カテゴリ・グローバルメニューを設定します。
公開前に、次の設定もすませておきましょう。
URLの形式(パーマリンク)の設定:詳しくはパーマリンクの設定方法を参照
プライバシーポリシー・運営者情報・問い合わせページの設置:書き方はプライバシーポリシーの書き方で解説
資料ダウンロードや問い合わせなど、記事の出口になるフォームの設置
⑤アクセス解析ツールを導入する
成果を測るために、公開前から計測環境を整えます。
Googleアナリティクス(GA4):訪問数や、資料請求などのCV数を計測する
Google Search Console:どんな検索キーワードで何位に表示されているかを確認する
ドメインとサーバーは、同じ会社のサービスでそろえると設定の手間を減らせます。
ラッコサーバーには、独自ドメインの取得・ドメイン設定・無料SSL設定・WordPressのインストールをまとめて行える「かんたんブログスタート」があり、30日間の無料お試しも用意されています。
ドメインだけを取得したい場合は、ラッコドメインで.comや.jpなどを登録できます。
【ステップ3:コンテンツ作成】SEOキーワード選定と読者の検索意図を満たす記事制作を行う
サイトの準備ができたら、いよいよ記事を作ります。
オウンドメディアの成果を最も左右するのが、このステップです。
記事作成は、次の5つの流れで進めます。
①キーワードを選定する
検索から読者を集めるには、ペルソナが実際に検索している言葉(キーワード)を起点に記事を作ります。
キーワード選定は、次の順で進めると漏れが少なくなります。
自社の商材やペルソナの課題に関わる「軸になる言葉」を洗い出す
軸の言葉と一緒に検索されている関連キーワードを集める
検索の目的が近いものをグループにまとめ、1グループ1記事に割り当てる
商談につながりやすいものから優先順位を付ける
立ち上げ直後のサイトは検索エンジンからの評価がまだ低いため、競合の少ない3語以上の具体的なキーワード(ロングテールキーワード)から狙うのが定石です。
詳しい手順はSEOキーワード選定のやり方やロングテールキーワードの見つけ方で解説しています。
関連キーワードは、ラッコキーワードの「関連キーワード」機能で、軸の言葉を入力するだけでまとめて取得できます。
「よくある質問検索」を使えば、読者が抱えている具体的な疑問文も集められるため、記事のテーマや見出しの候補出しに役立ちます。
②検索意図を把握する
検索意図とは、そのキーワードで検索した人が「本当に知りたいこと・解決したいこと」です。
検索意図をつかむには、実際にキーワードで検索し、上位10記事がどんな内容・見出しで構成されているかを確認するのが確実です。
上位記事が共通して扱っているトピックは、読者が求めている情報である可能性が高いと判断できます。
③記事の構成を作る
構成とは、記事の見出しの並びと、各見出しで書く内容の設計図です。
いきなり書き始めずに構成を作っておくと、書き手が変わっても品質をそろえやすくなります。
構成には、次の要素を入れておきましょう。
対策キーワードとタイトル案
想定読者と検索意図
見出し(H2・H3)と各見出しで書く内容
記事の出口(資料ダウンロード、問い合わせ、関連記事など)
構成づくりの手順は、ブログ構成の作り方の記事で詳しく紹介しています。
④執筆・校正する
執筆では、結論を先に書き、理由と具体例で補足する順番を意識すると読みやすくなります。
BtoBの記事では、自社の導入事例や現場の知見など自社にしか書けない一次情報を入れることが、他社の記事との差別化になります。
Googleも、経験・専門性・権威性・信頼性(E-E-A-T)を重視する考え方を、公式ドキュメントで次のように説明しています。
関連するコンテンツを特定した後、最も役に立つと判断されたコンテンツに高い優先順位を付けます。そのために、どのコンテンツが、エクスペリエンス(Experience)、高い専門性(Expertise)、権威性(Authoritativeness)、信頼性(Trustworthiness)、すなわち E-E-A-T の面で優れているかを判断するための要素の組み合わせを特定します。
Google検索セントラル「有用で信頼性の高い、ユーザー第一のコンテンツの作成」
詳しくはE-E-A-Tの解説記事をご覧ください。
公開前には、誤字脱字・事実関係・表記ゆれを、書いた人とは別の人がチェックする体制を作りましょう。
⑤レギュレーション(執筆ルール)を作る
複数人で記事を作るなら、表記や文体のルールをまとめた「レギュレーション」を用意します。
文体(です・ます調)、表記の統一ルール(「お問い合わせ」か「お問合せ」かなど)
見出しの付け方、1文の長さの目安
出典の示し方、使ってよい画像の条件
記事の出口に置くCTA(行動を促すボタンやリンク)の種類
レギュレーションがあると、外部ライターに依頼するときも修正の往復が減ります。

記事を量産する前に、まず5〜10本を丁寧に作り、構成・執筆・校正の流れを固めるのがおすすめです。型ができてから本数を増やすほうが、結果的に早く成果が出ます。
【ステップ4:運用・分析】データ分析とリライトで継続的な改善を繰り返す
記事を公開したら、数値を見ながら改善を続けます。
オウンドメディアは「公開して終わり」ではなく、公開後の改善で成果が大きく変わる施策です。
①定期的に見る指標を決める
毎月確認する指標は、ステップ1で決めたKPIに合わせて絞り込みます。
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指標 |
確認するツール |
分かること |
|---|---|---|
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表示回数・掲載順位・クリック数 |
Google Search Console |
検索結果での見つけられやすさ |
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訪問数(セッション数) |
Googleアナリティクス |
メディア全体の集客力 |
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CV数・CV率 |
Googleアナリティクス |
記事がリード獲得につながっているか |
|
商談数・受注数 |
営業管理ツールなど |
最終的なビジネスへの貢献 |
②リライトする記事を選ぶ
リライトとは、公開済みの記事を加筆・修正して内容を改善することです。
優先すべきは、Search Consoleで掲載順位が8〜20位前後の記事です。
あと一歩で1ページ目の上位に入れる位置にあり、少しの改善でもアクセスが伸びやすいからです。
リライト対象の選び方はブログリライトの優先順位で詳しく解説しています。
③競合の動きを確認する
順位が上がらない記事は、上位の競合記事と内容を比べると改善点が見えてきます。
競合サイトがどんなキーワードで集客しているかは、ラッコキーワードの獲得キーワード調査で確認できます。
自社がまだ書いていないテーマが見つかれば、新規記事の候補になります。
競合分析の進め方はサイトのアクセス数を調べる方法の記事も参考にしてください。
月に1回、「新規記事の本数」「リライトした記事」「KPIの推移」を1枚にまとめた月次レポートを作りましょう。
社内への報告と次月の計画づくりが楽になります。
オウンドメディアの構築・運用にかかる費用相場

オウンドメディアの費用は、「初期費用(サイトを作る費用)」と「運用費用(記事を作り続ける費用)」に分けて考えます。
特に見落としやすいのが運用費用です。
サイトを作っても記事が増えなければ成果は出ないため、予算は運用費用を中心に組み立てましょう。
サイト立ち上げにかかる初期費用の目安(サーバー・ドメイン・サイト制作費)
初期費用は、サイトを「自社で作るか」「制作会社に依頼するか」で大きく変わります。
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項目 |
自社で作る場合 |
制作会社に依頼する場合 |
|---|---|---|
|
ドメイン |
年間数千円程度 |
年間数千円程度 |
|
サーバー |
月額数百円〜数千円 |
月額数百円〜数千円 |
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デザインテーマ |
無料〜数万円(買い切り) |
制作費に含まれることが多い |
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サイト制作費 |
0円(社内の工数のみ) |
テンプレート活用で数十万円、オリジナルデザインで数十万〜数百万円 |
ドメインとサーバーの費用は、実際の料金を見ると具体的にイメージできます。
ラッコサーバーの場合、最も小さいRK1プランは12ヶ月契約で月額440円(合計5,280円)です。
12ヶ月以上の契約でかんたんブログスタートを使うと、.com・.net・.jpドメインの登録が無料になります。
ドメインを単体で取得する場合、ラッコドメインの.comは新規登録1,738円、更新1,958円(税込・年額)です。
法人向けの.co.jpは新規登録・更新とも5,148円(税込・年額)です。
(参考:ラッコサーバー「料金プラン/機能一覧」、ラッコドメイン「ドメイン価格」)

自社で作れば、サーバーとドメインを合わせても年間数千円〜1万円程度で公開まで進められます。制作会社への依頼は、デザインや機能にこだわりたい場合に検討しましょう。
記事作成や保守にかかる継続的な運用費用の目安
運用費用の中心は、記事の制作費です。
外部に記事作成を依頼する場合、依頼先によって相場が変わります。
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依頼先 |
費用の目安 |
特徴 |
|---|---|---|
|
クラウドソーシング |
文字単価1円〜 |
安く依頼できるが、品質管理は自社で行う |
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フリーランスの専門ライター |
1記事数万円程度〜 |
専門性の高い記事を依頼しやすい |
|
記事制作会社 |
1記事数万円〜十数万円程度 |
構成・執筆・校正までまとめて任せられる |
クラウドソーシング大手のクラウドワークスは、ブログ記事などの記事作成の発注相場を「1円〜/文字」と案内しています。
フリーランスや制作会社の費用は依頼範囲によって幅があり、上の表はあくまで目安です。
特に、専門知識が必要なBtoBの記事は単価が上がりやすく、構成作成や校正を別料金にしている依頼先もあります。
記事制作費以外にも、次のような費用がかかります。
保守費:WordPressやプラグインの更新、バックアップ、セキュリティ対策(自社対応なら工数のみ)
ツール費:キーワード調査ツールや画像素材サービスなどの月額費用
人件費:編集・進行管理・分析を担当する社員の工数
ツール費は、無料で使えるツールから始めると抑えられます。
たとえばラッコキーワードは無料で使い始められ、より多くのキーワードや月間検索数を取得したくなった段階で月額制の有料プランに切り替えられます。
(参考:ラッコキーワード「料金プラン」)
月間運用費の試算例
記事制作費:1記事3万円 × 月8本 = 24万円
ツール・サーバー費:月1万円程度
→ 外部費用は月25万円前後(社内の担当者の人件費は別)
リソース不足をどう乗り切る?内製と外注の適切な切り分け方

限られた人員と予算で成果を出すには、すべてを自社でやろうとせず、工程ごとに内製と外注を切り分けるのが現実的です。

社内に記事を書ける人がいないので、全部外注したほうがいいのでしょうか。
自社メンバーだけで運用(内製)するメリット・デメリット
内製の最大のメリットは、自社の知見やノウハウを記事に反映しやすいことです。
BtoBの商材は専門性が高く、現場を知る社員が書いた記事ほど読者の信頼を得やすくなります。
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メリット |
デメリット |
|---|---|
|
|
内製で進める場合は、担当者の業務時間のうち何割をメディア運営に充てるかを、あらかじめ上司と合意しておくことが大切です。
記事制作やサイト構築を外部に委託(外注)する際の判断基準
外注するかどうかは、「自社にしかできない工程か」と「社内にスキルと時間があるか」の2軸で判断すると整理しやすくなります。
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工程 |
おすすめ |
理由 |
|---|---|---|
|
目的・KPI・ペルソナの設計 |
内製 |
事業戦略に直結し、外部には判断できない |
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キーワード選定・記事の企画 |
内製(立ち上げ期は支援を受けるのも可) |
どの記事を優先するかは商談への近さで決まる |
|
サイト構築・デザイン |
外注も可 |
一度作れば頻繁には変えないため、スポットで依頼しやすい |
|
記事の執筆 |
外注も可 |
社内には取材・監修の役割を残すと専門性を担保できる |
|
校正・品質チェック |
内製 |
事実関係や自社の見解は社内でしか確認できない |
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分析・改善の方針決定 |
内製 |
事業の状況と合わせて判断する必要がある |
外注先を選ぶときは、次の点を確認しましょう。
自社の業界やBtoB商材の記事を書いた実績があるか
キーワード選定や構成作成まで対応できるか
修正対応の回数や納期、著作権の扱いが契約で明確になっているか
記事の執筆をすべて外注すると、どの会社でも書ける一般的な内容になりがちです。社員へのインタビューや自社データの提供など、一次情報を渡す仕組みを必ず用意しましょう。
ゼロから作る以外の選択肢:既存のメディアを取得する
立ち上げの時間を短縮したい場合は、すでに記事と検索流入があるメディアを買い取って自社のオウンドメディアにする方法もあります。
新しいサイトは検索エンジンの評価が低い状態から始まるため、流入が安定するまで時間がかかります。
既存のメディアを取得すれば、記事資産やドメインの評価を引き継いだ状態から運用を始められます。
サイト売買サービスのラッコM&Aでは、BtoB領域のメディアも取引されています。
実際に成約した事例には、次のようなものがあります。
法人向け業務効率化サービスの比較メディア:記事数2,156本、月間PV約5.9万、被リンク約2,200件。純広告の広告主も引き継げる体制で、希望売却価格は240万円(税込)。売主は法人への売却を希望していました。(参考:ラッコM&Aの成約事例)

保育士・保育事業者向けのオウンドメディア:運用約7ヶ月で記事数299本、月間PV約1.4万。収益化はしていないものの、人材紹介事業の集客用メディアとしての活用が想定されていた案件で、希望売却価格は85万円(税込)。(参考:ラッコM&Aの成約事例)

BtoB向けの資金調達専門メディア:記事数168本、月間PV約650。専門キーワードで上位表示している小規模なメディアで、希望売却価格は15万円(税込)。(参考:ラッコM&Aの成約事例)

もっと小さな規模から試したい場合は、ラッコサーバーのサイトマーケットも選択肢になります。
10記事程度の小規模なWordPressサイトも1万円からの価格帯で売買されており、サーバー移転やドメイン移管の作業をせずに購入できます。
自社の商材と読者層が重なるメディアを選べば、記事の出口を自社サービスに付け替えるだけでリード獲得に活用できます。
取得後は、記事の内容が自社の見解と合っているかを確認し、必要に応じてリライトしましょう。
経営陣を説得!オウンドメディアの企画書・社内稟議を通す3つのポイント

オウンドメディアは成果が出るまでに時間がかかる施策です。
そのため、社内稟議では「いつ・どれくらいの成果が見込めるか」を数字で示し、途中で打ち切られないように期待値をそろえておくことが重要です。
最終的なビジネス成果(KGI/KPI)と費用対効果(ROI)のシミュレーションを提示する
経営陣が知りたいのは、PV(閲覧数)そのものではなく、売上や商談にどれだけつながるかです。
ステップ1で作ったKPIの逆算に、受注率と平均受注額を加えて、投資対効果(ROI)を試算しましょう。
ROIの試算式
ROI(%)=(オウンドメディア経由の利益 − 運用費用)÷ 運用費用 × 100
例:月5件の商談 × 受注率20% × 平均粗利150万円 = 月150万円の利益
運用費用が月30万円なら、ROI =(150万 − 30万)÷ 30万 × 100 = 400%
上記はあくまで成果が安定した後の試算です。
企画書には、立ち上げ初期の数ヶ月は費用が先行することも正直に書いておきましょう。
広告経由でリードを獲得した場合の1件あたりの費用(CPA)と比較すると、長期的な費用対効果の違いが伝わりやすくなります。
成果が出るまでの期間(半年〜1年)をあらかじめ共有しておく
検索からの集客は、記事を公開してすぐに成果が出るものではありません。
SEOツールを提供するAhrefsの調査では、新しく公開されたページのうち、1年以内にGoogle検索の上位10位に入ったのは1.74%でした。
同じ調査で、検索1位のページは平均して公開から約5年が経過していたと報告されています。
(参考:Ahrefs「How Long Does It Take to Rank in Google?」)
この数字は、検索上位を狙うには一定の期間と継続が欠かせないことを示しています。
社内では「最初の半年は記事を積み上げる期間」「半年〜1年で流入とリードの増加を確認する期間」のように、フェーズごとの目標を分けて共有しましょう。
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時期 |
主な目標 |
見る指標 |
|---|---|---|
|
公開〜3ヶ月 |
記事を計画どおりに公開する |
公開本数、Search Consoleの表示回数 |
|
4〜6ヶ月 |
検索流入の増加を確認する |
検索順位、訪問数 |
|
7〜12ヶ月 |
リード獲得を安定させる |
CV数、商談数 |
失敗リスクを抑えた現実的なリソースと予算計画を提案する
最初から大きな予算を求めると、稟議が通りにくいうえに、失敗したときの影響も大きくなります。
おすすめは、半年程度の検証期間を区切り、小さな予算で始める計画です。
サイトはWordPressとレンタルサーバーで自社構築し、初期費用を抑える
記事は月4〜8本など、継続できる本数に設定する
半年後にKPIの達成状況を報告し、予算を増やすか判断する場を設ける
「いつ・何を基準に継続か撤退かを判断するか」まで書いておくと、経営陣は判断しやすくなります。

数字と判断の基準がそろった企画書なら、経営陣も安心してゴーサインを出しやすくなります。
失敗を防ぐ!オウンドメディア運用で成果を出すための注意点

オウンドメディアが失敗する原因の多くは、作り方そのものよりも、運用の姿勢にあります。
立ち上げ後に意識したい3つの注意点を紹介します。
検索意図を満たす「ユーザーファースト」な記事作成を最優先する
自社製品の宣伝ばかりの記事は、検索している読者の役に立たず、読まれません。
Googleは、検索エンジンのためではなく人のために作られた、有用で信頼できるコンテンツを評価する方針を公式に示しています。
(参考:Google検索セントラル「有用で信頼性の高い、ユーザー第一のコンテンツの作成」)
記事では読者の課題解決を優先し、自社サービスの紹介は「課題を解決する手段の1つ」として自然に添える程度にとどめましょう。
サイボウズ式も、立ち上げ時に製品の宣伝よりも読者が知りたい情報を優先する方針を掲げていました。
最初から完璧を求めず、スモールスタートで検証を重ねる
デザインや記事数を完璧にそろえてから公開しようとすると、準備だけで数ヶ月が過ぎてしまいます。
検索からの評価は公開後に時間をかけて積み上がるため、最低限の形で早く公開し、改善しながら育てるほうが成果につながります。
たとえば、まずは優先度の高いキーワードで10本程度の記事を用意して公開し、Search Consoleの数値を見ながらテーマを広げていく進め方が現実的です。
少人数や個人で担当する場合も、この進め方なら負担を抑えて始められます。
短期的なアクセス増に固執せず、長期的な視点で運用を継続する
アクセス数を増やすために、自社の事業と関係の薄い話題の記事を量産するのは避けましょう。
一時的にPVが伸びても、商談や問い合わせにつながらなければ、オウンドメディアの目的は達成できません。
大切なのは、ペルソナに合ったテーマで記事を継続して公開し、既存記事のリライトで品質を高め続けることです。
更新頻度の考え方は適切な更新頻度を解説した記事も参考にしてください。

すぐに結果が出なくても大丈夫です。正しい方向で続けた記事は、少しずつ確実に会社の資産になっていきます。
自社の運営の参考にしたいオウンドメディア成功事例

最後に、目的の異なる2つの成功事例を紹介します。
自社のメディアの方向性を考えるときの参考にしてください。
BtoB企業のリード獲得・ブランディング成功事例
ステップ1でも紹介した「サイボウズ式」は、業務ソフトウェアを提供するサイボウズが2012年に立ち上げたオウンドメディアです。
立ち上げ時の記事では、製品の宣伝を中心にするのではなく、チームワークやコラボレーションとITをテーマに、読者が知りたい情報を発信する方針が示されています。
(参考:サイボウズ式「サイボウズが自社メディアを始める理由」)
製品の機能ではなく、働き方やチームづくりという読者の関心事を軸にしたコンセプトが、BtoB企業のブランディングの参考になります。
BtoC企業の認知拡大・集客成功事例
ECサイト「北欧、暮らしの道具店」を運営するクラシコムは、読み物や動画などのコンテンツ発信を事業の中心に置いています。
同社は、さまざまなコンテンツを多様なチャネルで発信することで、顧客との接点を増やし、エンゲージメントを高める方針を公式に説明しています。
(参考:クラシコム「事業紹介」)
商品を直接売り込むのではなく、暮らしに役立つコンテンツで読者との関係を築く点は、業種を問わず参考になる考え方です。
まとめ

オウンドメディアは、サイトを作る前の企画と、公開後の地道な改善で成果が決まります。
- 作り方は「準備・企画」「サイト構築」「コンテンツ作成」「運用・分析」の4ステップ
- サイトを作る前に、目的・ペルソナ・KGI/KPI・コンセプトを決める
- 記事はペルソナが検索するキーワードと検索意図を起点に作る
- 初期費用は自社構築なら年間数千円〜1万円程度から。予算は記事制作などの運用費用を中心に組む
- 目的設計・企画・品質チェックは内製し、構築や執筆は必要に応じて外注する
- 成果が出るまで半年〜1年かかる前提で、フェーズごとの目標を社内で共有する
まずは、自社のペルソナがどんな言葉で検索しているかを調べるところから始めてみましょう。
キーワードの候補がそろうと、記事の企画も企画書に載せる計画も、一気に具体的になります。







